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SNSやテレビCMなどでも見かけることの多いジャズダンス。今では多くのダンススクールも踊られていて、ジャズダンス人口はかなり増えつつあります。
しかし、ダンス初心者の方にとってジャズダンスは、テクニックや複雑な体の使い方もあり難しく見えるでしょう。
また、ひとえに”ジャズダンス”と言っても人によって踊り方が全く違うことも多く、ジャズダンスの概念に困惑している人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ジャズダンスの特徴や種類分け・ヒップホップダンスとの違いなど、ジャズダンスの基本的なことをわかりやすく説明していきます。
ジャズダンスとは、バレエの要素がベースとなったダンスの一種です。体の軸を常に保ちながら手足を伸びやかに使い、曲に合わせて緩急付けて踊ります。
バレエがベースのため、足先や指先までをきれいに使う振りが多いです。テーマパークダンサーやCMのダンサーたちが踊っているようなダンスをイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
もともとはクラシック曲やジャズミュージックで踊ることが多かったですが、今では洋楽や邦楽、K-POPなど、さまざまな曲のジャンルで踊られています。
ジャズダンスは、1920年代のアメリカ・ニューオーリンズにて黒人ダンサーたちのダンスから生まれました。
アメリカの酒場やショー、ダンスホールなどで流れているようなジャズミュージックに合わせて踊っていたのがジャズダンスの始まりだと言われています。
ジャズミュージックの進化とともにジャズダンスの形も進化していき、自由な型が増えて行きました。もともとは黒人が踊っていた伝統舞踊がジャズダンスの発祥でしたが、多くの振付師やダンサーたちによって、ショーやミュージカルでも演じられるダンスに変化していきます。
たくさんアレンジされてきた過程でジャズダンスの中でもさまざまなジャンルに分かれ、今の様に多くのジャンルが混合したダンスの一種になりました。
今私たちがよく目にしているアーティストやアイドルのダンスやテーマパークのパレードのダンスは、ほとんどがジャズダンスに属しています。
ここでは、ジャズダンスの種類を5つ紹介します。
ジャズダンスは数多くの種類に分かれるため、紹介する5つはジャズダンスの中でも一部の種類です。
各種類ごとに動画が見れるので、それぞれの特徴と照らし合わせながら見てみてください。
ヒップホップの要素が混ざったジャズダンス。
ヒップホップ独特のビートや音の取り方と、ジャズダンス特有の体のしなやかな動きを織り交ぜた振り付けが特徴。強めの振り付け・曲で、セクシーかつかっこいい振りで魅せる。
バレエの要素と真逆で、ヒップホップの「抜け感」を意識的に取り入れた振り付けで踊る。有名な先生だとスタジオが人でパンパンになるほど人気急上昇のジャンル。
ジャズファンクとは、名前の通り「派手」という意味合いのある”ファンキー”なダンス要素を取り入れたジャズダンスです。
ジャズヒップホップよりも女性らしい曲線を意識した振り付けやシルエットで魅せる事が多いですが、明確な定義分けは特にありません。振付師によって好みも分かれ、キレキレの振り付けで表現する人もいれば、手足の先まで伸びやかに使うジャズに近い振り付けで表現する人もいます。
宝塚歌劇団のようなミュージカル風のダンスは、シアタージャズと呼ばれています。ステッキやハットなどの小道具を使ったり、タキシードのような正装を身にまとって踊ることが多く、華やかなイメージのあるダンスジャンルです。
ジャズファンクやヒップホップジャズのような切れのある強い振り付けとはまた違い、比較的バレエに近い伸びやかな動きが基本となります。
また、スロージャズのような体の崩し方もあまりなく、体の面をパキパキと切り替える振りも特徴の一つです。
スロージャズとは、スローテンポな楽曲に合わせて伸びやかな振り付けを踊るジャズダンスの一種です。
バラード系のゆったりした曲を使うことが多く、振り付け自体も伸びやかな体使いをします。体幹の強さが必要ですが、ジャズダンスの中では初心者がチャレンジしやすいジャンルです。
スロージャズはジャズダンスの中でもバレエの要素が強く、指先・足先・髪の先まで表現に気を使います。パキパキ踊るシアタージャズとはまた違い、アイソレーションを使って体のパーツ一つ一つを繊細に使う振り付けが特徴です。
ヒールジャズは、ヒールを履いて体の曲線を美的なポージングや振り付けで魅せるダンスのことをいいます。女性らしさを強調するセクシーな動きや、女性が持つ芯の力強さを振りに活かしたダンスで、モデルさんが踊っているような見え方が特徴です。
10㎝程の高さのあるヒールを履くことが多いため、体幹がしっかりしていないとふらついてしまいます。その分、ヒールを履いたときの背筋を伸ばす意識が常にある状態で踊るため、踊りながら姿勢が矯正されて美しい体づくりができるダンスです。
ここでは、ジャズダンスで使われる基本動作とその特徴を紹介します。よく使われる基本動作は以下の5つです。
順番に特徴を紹介します。
プリエとは、つま先と膝の向きを揃えて膝を曲げるバレエの基本動作の一つです。
浅く膝を曲げる「ドゥミプリエ」と、深く膝を曲げる「グランプリエ」があります。単純な動きですが、ジャズダンスの振り付けの中では何度も出て来る動作です。
つま先と膝の向きが揃っていないと、体のバランスが崩れて見えるだけでなく、膝がねじれて怪我にも繋がりやすくなります。また、プリエに力が入ってしまうと、膝で上手く衝撃を逃がせずに足を痛める原因にもなります。
プリエは、ジャズダンスを始める際には必ず基礎の動きとして覚えておきましょう。
「通過する」という意味のあるパッセは、軸足のくるぶしにもう片方の足のつま先を付けてふくらはぎを通り膝の高さまで上げる、ジャズダンスの基本動作の一つです。
1本の足で体の軸を保つ体幹や筋力が必要になります。パッセの正しい形を保つことで、ターンをする際にもバランスが崩れにくくなるため、習う際は先生のパッセの形をよく見てマスターしましょう。
パドブレとは、左右の足をクロスして入れ替えながらステップを踏むダンスの基本動作です。ジャズダンスに限らず、ヒップホップやハウスなど多岐にわたるダンスジャンルでも使われます。
ジャズダンスの場合、大きく斜めに出した片足につま先立ちで乗り、2歩踏んで足をクロスして入れ替え反対足を斜め前に出すという動きが基本となります。
ヒップホップやハウスとは違い、背筋は真っ直ぐな状態で行うのが、ジャズダンスで使われるパドブレです。
バットマンとは、足を振り上げる動作のことを言います。前後左右に足を高く上げ、ダイナミックな動きを魅せられるのが特徴です。
なお、まだ体が硬いうちや筋力が付いていないうちは、無理に上げようとすると足の勢いに負けて転んでしまうことがあります。体を徐々に伸ばして柔軟性を上げつつ、軸足の膝がしっかり伸びる範囲で足を振り上げるように意識しましょう。
体の軸を中心にその場で片足で2回転回るテクニックを、ダブルターンといいます。
体の軸を瞬時にとらえ、手と足を寄せ集めるタイミングも揃えることできれいにクルクルと回れるようになるため、初心者には難易度の高い基本動作です。
1回転のシングルターンまでは回れても、ダブルターンとなると首切り(顔の向きを常に前に向くようにすること)が重要になります。
ダブルターンをきれいに回れるようになりたい場合は、まずはシングルターンをきれいに安定して回れるようにしておくのがおすすめです。
有名なジャズダンスの振付師といえば、少女時代や東方神起などの振り付けを手掛ける仲宗根梨乃さんや、Perfume・星野源さんの恋ダンスの振り付けで有名なMIKIKOさんがいます。
ここでは、日本で有名なジャズダンスの先生・振付師を5名紹介します。
少女時代・AKB48・東方神起など、世界的に有名なアーティストの振り付けを手掛け、ダンス界に知らない人はいないと言えるほどの知名度を上げる仲宗根梨乃さん。
今やメディアに出演する機会も多く、バラエティ番組や女優としても活躍の幅を広げています。
そんな仲宗根梨乃さんですが、とある取材で「バレエやジャズダンスを習っていなかった」という発言をしていました。
30代を超え、バレエやジャズ、ストレッチなどダンスの基礎となるものがいかに大事かを痛感し、トレーニングやメンテナンスに取り入れるようになったようです。
演出振付家として活躍するMIKIKOさんは、日本で大旋風を巻き起こした「恋ダンス」の振り付けを手掛けた振付師さんです。その他、Perfumeやオリンピックのセレモニーの振り付けなども手掛けています。
MKIKOさんがジャズダンスに出会い仕事にし始めたのは、地元・広島県に居た19,20歳の頃でした。広島にはジャズダンスを教えられる講師が当時いませんでしたが、通っていたスタジオのオーナーの言葉に影響を受け、ヒップホップとバレエの要素を入れた振り付けを教えるようになっていったようです。
そして、当時のスタイルが今のMIKIKOさんのジャズダンスの振り付けスタイルに定着していきました。
日本テレビの人気特番「THE DANCE DAY」で優勝を果たしたダンスチーム「N’ism」の振付家として名高いNORIさん。
NORIさんが監督をするN’ismは、人間離れしたアクロバットを取り入れた芸術性溢れるジャズダンスが特徴です。2019年にダンスの世界大会で優勝したことをきっかけに、2022年の東京パラリンピック閉会式の振り付けも手掛けました。
類を見ない独特の世界観に包み込まれる振り付けがダンス界でも大注目されている、今活躍を伸ばしている振付師の一人です。
日本中の振付師が目指す場所であるコンテスト「LegendTokyo」で多数の受賞歴を誇るShojinさん。大学に入学後からテーマパークダンスを始め、在学中に大手テーマパークのダンサーオーディションに合格した異色の経歴を持っているダンサー・振付師さんです。
今は自身が企画・運営する「SHOJIN ENTERTAINMENT RABO」から多くのダンサーを輩出し、メディアや舞台・ミュージカルの振付師としても引っ張りだこ。
テーマパークに限らず、パッション溢れるスロージャズやシアタージャズでも人気で「日本イチ予約の取れない講師」として大注目されています。
16歳のときにヒップホップを始めたところからダンスに出会い、今やジャズダンスやミュージカルの振付師としても活躍を広げるKAORIaliveさん。
自身が事業を展開する「STUDIO DANCE ALIVE」を出身の京都に構え、京都を拠点に国内外問わず活動をしています。
WORLD OF DANCEなど海外でも有名なダンスコンテストでも高い評価を得ているKAORIaliveさんのジャズダンスの振り付けは、世界で抱える問題に訴えかけるような情熱的なメッセージ性が込められており、多くの人の心を奮わせています。
ここでは、ジャズダンスによく使われる定番曲や有名楽曲を5つ紹介します。
「ありのままでいいんだよ」というメッセージ性が込められた、やさしい曲調の定番曲です。Bruno Marsを知らない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ゆったりな曲調の中にもビートが効いており、アップテンポで明るく爽やかな印象がジャズダンスにピッタリです。
リズミカルな曲調とやさしくクリアな歌声が調和したEd SheeranのSingは、ジャズダンスの人気楽曲です。
伸びやかなジャズダンスというよりかは、「魅せる」色気のある大人っぽいジャズダンスに使ってみてはいかがでしょうか
「あなたがいれば、どんな場所だって構わない」という意味を込められたラブソングであるRather Be。リリース当初はイギリスで堂々のNo.1ヒット曲になりました。
日本のダンスシーンでも、チアダンスやヒップホップなど多数のジャンルのダンス曲として使われています。
ビートを刻んでいる曲でありながらも、どこか大人びたサウンドの曲であり、情熱的なジャズダンスの振り付けとしても使われているのを目にする機会が多いです。
大ヒット映画「ラーゲリより愛を込めて」の主題歌となったSoranjiは、リリース直後から多くのダンスダンサーやインストラクターが使用していました。
後半にかけて盛り上がる壮大な曲の中に繊細な表現の歌詞やボーカルの息づかいがあり、映画のシーンを連想させて涙を誘います。
Soranjiで踊る情熱的なジャズダンスは、見ている人にも感動を与えること間違いありません。
アニメ「鬼滅の刃」の大ヒットと共に、瞬く間に多くのファンを感動させたLiSAの炎。まさに、ジャズダンスとの相性抜群のバラード曲です。
切なくも強く美しいメッセージが込められた歌詞と伸びやかで力強いジャズダンスを合わせてみてはいかがでしょうか。
ジャズダンスについて多い質問・疑問に回答します。
ジャズダンスとヒップホップダンスでは、体の使い方や音の取り方が違います。
ヒップホップはストリートダンスの要素が強いですが、ジャズダンスは主にバレエの要素が強いです。
また、使う音楽にも違いがあります。ヒップホップではヒップホップミュージックなどリズミカルな音楽で踊るのが基本です。一方、ジャズダンスはジャズミュージックで踊ります。
しかし、最近ではジャズダンスもヒップホップも使う本学の幅は広いです。邦楽・洋楽・KPOP等、振り付けをする人の好みでかなり分かれます。
キッズがジャズダンスを習うことで、ダンスの基礎や表現力が身につきます。
ジャズダンスの基礎はほとんどがバレエの要素です。ダンスの全てはバレエが基礎となっていますが、数々の種類の中でもジャズダンスは特にバレエ要素が強い傾向にあります。
そのため、表現力を磨きつつ踊りながらダンスの基礎を体に浸み込ませていけるでしょう。
ジャズダンスはダンス初心者や大人からでも十分についていけます。経験者向けのクラスではコンビネーション(振り付け)がメインの場合が多いため、始めは入門クラスや基礎クラスから入るのがおすすめです。
気になるダンススタジオやインストラクターがいたら、SNSやYouTubeなどでレッスンの雰囲気や振り付けの速さ・難易度など、動画で見てみましょう。
また、一度体験レッスンに行ってみるとスクール選びの参考になります。
ジャズダンスがおすすめの人は以下の通りです。
ジャズダンスは、ダンスの基礎となるバレエの要素が身につくだけでなく、曲の歌詞を動きで表す表現力も身につくメリットがあります。
音の取り方が複雑な場合もあり、一見難しそうに見える場合もありますが、初心者でも挑戦しやすいダンスです。大人になってからダンスを始める人には、ジャズダンスから習い始める人も多くいます。
気になったら、体験レッスンに行ってみたり動画を真似したりして実際にジャズダンスを体感してみてください。
同じ”ジャズダンス”の中にも、バレエ要素の強いものやヒップホップ・ストリートダンスの要素が入ったものなど、さまざまなジャンルに分かれます。
各ジャンルによって使う楽曲の雰囲気も表現方法も異なるため、いろんなジャズダンスに挑戦してみるのがおすすめです。
ジャズダンスに限らず、ダンスには正解がありません。怪我や間違った体の使い方を防ぐために基礎的な動作はしっかりマスターしつつ、自分なりの表現の仕方を見つけてダンスライフを楽しんでください。
oDoriでは、日本のダンス業界の活性化のため、若手ダンサーにフォーカスしたグループを立ち上げました。当社は98%以上のダンサーの収入が年収200万円以下という社会問題に対して、課題意識を持っており、解決したいと心から願っています。その為、バックダンサー、振付制作の案件紹介はもちろんのこと、ダンサーの特性を活かせる様々な業務のご紹介を行っております。